11月30日(土)より12月17日(火)まで京都蔦屋書店6Fギャラリーにて個展「矛と盾」を開催します。

油彩、アクリル、紅白幕、黒白幕、ステンレス、木製パネル
907×968mm, 2024
矛と盾
会場 :京都 蔦屋書店 6F ギャラリー
京都 蔦屋書店
京都市下京区四条通寺町東入2 丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8] 5・6F
tel : 075 – 606 – 4525
web :https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/43920-1302331112.html
会期 :2024年11月30日(土)~12月17日(火) 10:00~20:00 ※最終日のみ18:00閉場、会期中無休
主催 :京都 蔦屋書店 協力:タグチファインアート
概要 :西川茂の作品は、建築中あるいは解体中のシートに覆われた建造物を主なモチーフにしています。周囲の風景を白紙に戻すように塗りつぶしたり、色面で覆ったりと変化を重ね、周辺の環境を色として取り込みながら、建造物を覆うシートを大胆な筆致と絵の具の物質感をもって描いています。
日常に突如現れるシートに覆われた建物や空間は、それ以前の土地の記憶を簡単に消し去り、新たな風景を当たり前のように感じさせます。同時に、当たり前の日常が曖昧な記憶の積み重ねであり、すべてのものが永続的ではなく常に変化の流れの中にあることを気付かせます。自然豊かな地域で生まれ育った西川にとって、変化し拡大を続ける都市の姿は、制御しがたい自然の力と人との付き合い方やせめぎあいを描く上での象徴的な題材です。創造と解体は、生と死でもあり、シートに覆われた建造物を描くことで、万物の流転を表現しようとしています。
「矛と盾」と題された本展では、変化し続ける世界の中で、西川が感じた心の内の矛盾を留めた新作絵画14点を発表します。京都の歴史的建築から田園風景に紛れ込むメガソーラーの姿、また古いポストカードを用いた小品など、変わりゆく世界に対峙する西川の視点を感じる展示となります。
ステートメント
私にとっての絵画作品とは自己を取り巻く環境と精神の調和を作り出す行為であり、絵の具によって画面に定着された静謐な世界です。近年は建築中、或いは解体中(改修中)の仮囲いで覆われた建物や構造物をモチーフとして、それを覆うシートをキャンバスに見立て、油彩による抽象表現による作品を制作してきました。今年は新たに郊外に広がるメガソーラーシステムをモチーフとした作品も制作しております。現代の日本において、郊外には新興住宅地が広がり続け、都市部には高層ビルが伸び続けています。新たな建物が建つことにより、かつてそこにあった建物や場所は忘れられ、そこに広がる風景は刻々と変化を続けていきます。こうして水平にも垂直にも広がり続ける都市はどれほどの拡張を続けていくのでしょうか。果てのない変化の中で画面にとどめられた世界が、私にとって精神と環境との調和であり、調和とは変化を受け入れ拒絶する矛盾をそのままに留めることです。その矛盾した世界の在り方を絵画作品を通して考えています。
そしてその描かれた世界からいつか創造的な何かが起こることを願います。