Shigeru Nishikawa

Copyright(c) Shigeru Nishikawa

Sealed House 121-New National Stadium 2- 970×1940mm oil, graphite, metal powder on canvas, panel 2020

週末

土曜日は朝から事務仕事。

合間に中サイズのパネルが届いてテンションが上がる。

夕方、出かける前に勢いが止まらないゴーヤのためのネットを横に増やす。近くに植えたピーマンは完全にゴーヤの勢いに負けている。勉強勉強。トマトとナスも支柱を増やさないとと、夜に少し買い物。菜園のバケツや土などを買い足す。完全に家庭菜園にはまっている自分がいる。シンプルに土をいじるのが、野菜を収穫するのが楽しい。

でもいつも制作の後回しになる為、色々と足らない事が多く、のんびりと進めている。

日曜日も結局、夕方まで事務仕事。夕方、丸々と育った茄子を収穫。その後、何枚かキャンバスを張りつつアトリエの整理。

今日は風がよく通り、かいた汗も心地良い。

涼しくて日が長くて言うことなしの日曜日。

これから本番の暑い暑い夏のアトリエ。

今年もたんまりと汗をかきそうだ。

それでも年末までの期間を考えると気が引き締まり、心踊る。

夏至の太陽が昇りきる前に庭の草引きをする。

届いた画材の確認と整理をする。

昨日友人宅の庭で収穫してきた3kgの梅を丁寧に洗い、初めての梅酒を漬ける。

家庭菜園ではこの夏初めての茄子を一本収穫する。

夜、木枠を組んでキャンバス張って色を重ねる。

変わらぬ日常が心地良く、いつのまにか日食は通り過ぎていた。

個展が終わって最初の週末。

アトリエに掛けっぱなしにしていた新作の梱包や、描きかけの絵の続き、次の制作の準備などに取り掛かる。

梅雨らしい梅雨の湿度が、容赦なく我が家の古い木造家屋内に行き渡る。

東京に行ってる間、心配していた家庭菜園のゴーヤ、トマト、ナス、ピーマン、バジル、オクラ、ネギも無事にすくすくと育っている。

合間の休憩にコーヒーを飲む。

いつもは粉を簡単にドリップするだけだが、東京で買ってきた豆を曳き、丁寧にドリップしてみる。

当然お店のような味ではなく少し酸味がうるさいのだが、それでもいつもよりしっかりとした意思を感じる味が美味しい。

いつも簡単に済ませていたコーヒーだが、嗜好品とは本来こうして丁寧に楽しむ物なのかなと思った。

手間隙をかける愛おしさ。

野菜も嗜好品も制作も。

under construction or destruction 2020 Tokyo

 
©Shigeru Nishikawa / Courtesy of Gallery OUT of PLACE

昨日、無事に個展が終わりました。

お越し下さった方々、気にかけて下さった方々、ありがとうございました。

会期も最終週となりようやく在廊する事が叶いました。

搬入、展示がギャラリーの方達により四月中には終わっておりましたが、会期が始まってからも状況は安定せず、初日に合わせて上京出来なかった事も相まって、とても準備期間が長く感じられました。

まるで東京ではなく、どこかはるか遠くの場所で個展が行われているように感じられました。

それでも観に行ってくれた方の画像や感想を目にする事で、展示をしている実感を得れていたように思います。

そう、実感。

この実感こそが心身の支えとなっているのではないかと思うのです。

だからこそ、在廊して訪れてくれる方と作品を前に話す時間は、良い緊張感とともに次へと続いて行くように感じます。

少ない在廊時間とはなりましたが、とても実り大き時間となりました。

ありがとうございました。

また次に向かっていつも通り制作を続けていきます。

上京

初めての上京は中学三年生の修学旅行。

東京ドーム、ディズニーランド、東京タワー、国会議事堂、原宿・・・。

原宿の所さんのお店で下敷きとか、たけしの元気が出るTVの筆箱とか、やまだかつてないTVとか・・・そんな時代。

東京ドームも巨人戦ではなく、日ハム戦。当時はまだ今ほどパ・リーグに勢いがなかった時代。でも僕は近鉄ファンだった。

同級生11人、担任、副担任、教頭の確か14人くらいのパーティー。

初めての地下鉄、自動改札。真っ黒になる鼻の穴。

初めて行ったテレビの中の東京。

あの頃は見るもの全てが怖くて、敵のように感じてしまっていた。笑

それでも今では待ってくれている人たちや、会いたい人たちが居る。行きたい場所もある。

30年近くの時を経て、印象は随分と変わったかもしれないが、変わらずワクワクとしている。