当初は三月のフェアと四月の個展にかけて東京に行く予定だったので、オラファー・エリアソン、ピーター・ドイグ、白髪一雄の展示を見る事をとても楽しみにしていた。
白髪一雄の作品からはキャンバスの大きさに対しての筆跡(足跡)の幅はどうかなどをみたりする。
これくらいの筆跡(足跡)の幅があればどう見えるのかとか。
キャンバスの大きさに対してのタッチの大きさ、どのくらいの手数が入っているかなど、とても注意深く眺める。
色を必要以上に混ぜ合わせないためには手数を減らす必要がある。
手数を減らすためには最短で最大の効果を持つタッチが必要となる。
削りつつ、増やすためにはどうしたらよいか。
増やすために、減らす。
そうして最短距離を模索するのだが、いつも気をつけている事はそうした最短距離が、必ずしも良い作品を作るわけではないという事。
良い制作はできるかもしれないが、良い制作が良い作品とは限らない。
信じつつ疑う。
矛盾ばかりだが、その矛盾を矛盾のままに受け入れる事が、大事なんじゃないかと最近よく思う。