
Sealed House 101
oil, graphite, metal powder on panel
1167×803mm
Copyright(c) Shigeru Nishikawa

Sealed House 101
oil, graphite, metal powder on panel
1167×803mm
西川茂
1977 岐阜県生まれ三重県育ち
1997 近畿大学理工学部土木工学科環境デザインコース 中途退学
2002 大阪芸術大学附属大阪美術専門学校芸術研究科絵画コース 修了
2007.8~2008.8 Triform Camphill Community 滞在
個展
2025
境を環る-Liminal Loops-(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY 東京)
2024
矛 と盾(京都蔦屋書店ギャラリー 京都)
under construction or destruction : modern city (taguchi fine art 東京)
2023
under construction or destruction : layer and gap 2023(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY 東京)
under construction or destruction : 渋谷 2023(Bunkamura Box Gallery 東京)
2022
Sealed Temple(CADAN有楽町 東京)
under construction or destruction : Layer and Gap (taguchi fine art 東京)
2020
under construction or destruction 2020 Tokyo (Gallery OUT of PLACE TOKIO 東京)(’18,’17)
2016
object (Gallery Den mym 京都)
under construction or destruction (Gallery OUT of PLACE NARA 奈良)
2012
From the Faraway Nearby (くちばしニュートロン 京都)
From the Faraway Nearby (neutron 東京 東京)(’11,’10,’09)
風景の繋がり (Restaurant-I 東京)
2011
in between (neutron 京都 京都)(’10)
2010
continental (2kw gallery 大阪)
2009
Sound & Space Limited (Gallery 白 大阪)(’05)
2006
Noise/Silence (Gallery Den 大阪)(’04)
西川茂展 (HAC Gallery 神戸)
2003
西川茂展 (尾鷲市三木里町公民館 三重)
それは、ただそこにある (海岸通りギャラリーCASO 大阪)
グループ展
2024
Hiroshima MoCA FIVE 23/24(広島市現代美術館 広島)
2023
筆跡の奏(ひらおユニバーサルギャラリー 大阪)
Osaka Art & Design 2023(阪急うめだ本店9F 祝祭広場 大阪)
2022
アートの新時代2022(大阪高島屋7Fグランドホール 大阪)
2021
ANONYMAT 2021奈良 vol.2 塔と壺(奈良蔦屋書店2F天平ギャラリー 奈良)
Bunkamura Gallery Selection 2021(Bunkamura Gallery 東京)
メタマテリアリズム−物質を超えて(日本橋三越本店コンテンポラリーギャラリー 東京)
NEW POSITIONS 2021(taguchi fine art 東京)
2019
N.B.A. three visions(Gallery OUT of PLACE TOKIO 東京)
2018
DESIGNART 2018(DESIGNART Gallery Francfranc Forest 東京)
2017
Big Sensation(Gallery Den mym 京都)
2016
アートワンダーランド(西武八尾店 大阪)
2015
学園前アートウィーク2015(近鉄奈良線 学園前駅 南エリア 奈良)
2013
Visual Sensation vol.5 (Gallery Den mym 京都)
UNEASINESS 11 (2kw Gallery 大阪)
2012
現代茶ノ湯スタイル展「縁-enishi-」(西武渋谷店美術画廊 東京)
Sakura Calling (“くちばし”ニュートロン 藤井大丸7F 京都)
white ground (JR伊勢丹三越 アート解放区 大阪)
ミニアチュールの魅力展 (JR伊勢丹三越 アート解放区 大阪)
2011
シブヤスタイルvol.5 (西武渋谷店美術画廊 東京)
11+25 BISEN (大阪美術専門学校 大阪)
アートスロープ展 (西武渋谷店 美術画廊 東京)
来るべき世界 (ニュートロン東京 東京)
2010
シブヤスタイル vol.4 (西武渋谷店美術画廊 東京)
“世紀のダ・ヴィンチを探せ!”国際アートトリエンナーレ2010 (大阪芸術大学 大阪)
2008
7 Artists [Emily Hassell,Eileen Brenmen,Martina Angela Muller,Michael Limberger,Shigeru Nishikawa,Laura Summer,Wendy Holms Noyes] (Gallery 345 Hudson NY)
2006
絵画を見る2006/2「4つの窓」 (Gallery 白 大阪)
15少年漂流期 (大阪府立現代美術センター 大阪)
2005
第一回倉敷現代アートビエンナーレ西日本 (倉敷市立美術館 岡山)
2004
シェル美術賞展 (代官山ヒルサイドフォーラム 東京)
2002
ノーマーク展part2 (Gallery Sen 大阪)
2001
二人展 西川茂/角谷功次 (Gallery Den 大阪)
2000
PEP ART 未完成な感声 (Gallery Den 大阪)
アートフェア
2024
アートフェア東京 (東京国際フォーラム 東京)(’21,’19, ’18,’11)
2023
Art Collaboration Kyoto 2023(国立京都国際会館 京都)
2022
ART OSAKA2022(中之島中央公会堂 大阪)(’21)
Study:大阪関西国際芸術祭アートフェア(グランフロント大阪 大阪)
2021
Art Collaboration Kyoto(国立京都国際会館 京都)
ART FAIR ASIA FUKUOKA(博多阪急 福岡)
2020
ART OSAKA WALL(山川ビル 大阪)
2019
ART MARKET SAN FRANCISCO (サンフランシスコ)
ASIA CONTEMPORARY ART SHOW(コンラッド香港 香港)(’17)
2017
ART OSAKA2017(ホテルグランヴィア大阪 大阪)(’16)
3331 Art Fair 2017(アーツ千代田3331 東京)
2012
神戸アートマルシェ (神戸メリケンパークオリエンタルホテル 神戸)
2009
東京コンテンポラリーアートフェア(TCAF) 2009 (東美アートフォーラム、東京美術倶楽部3・4階 東京)
賞
2010
“世紀のダ・ヴィンチを探せ!”国際アートトリエンナーレ2010 銀賞
2008
第23回ホルベイン・スカラシップ奨学生
2005
第一回倉敷現代アートビエンナーレ西日本 入選
2004
シェル美術賞展 入選
コレクション
大阪芸術大学
株式会社ユナテッドアローズ
作品提供
クラシエ「いち髪」テレビCM
クリスマス展示 H Beauty & Youth UNITED ARROWS 2019
集英社『車軸』 小佐野彈 著 鈴木成一 ブックデザイン 書籍表紙「Sealed House 80」
2012年11月、東京国立競技場のリニューアルにあたり、建築家ザハ・ハディド氏のデザインが国際コンペにて最優秀賞を受賞。彼女は新国立競技場のデザイン監修者となり、実施案として提出したデザインは、当初の伸びやかで独創的なデザインとはかけ離れたものであったが、コストが計画予算のほぼ二倍に当たる2520億円に及び、様々な意見が飛び交う中、2015年7月、建築家ザハ・ハディド氏のデザインは白紙に。紆余曲折を経て、新たに建築家に指名された隈研吾氏による新国立競技場が完成し、2019年12月21日一般に公開されるに至る。
2020年4月現在、中国に端を発した新型コロナウィルス禍の影響は世界中に拡大し、日本においても誰も想像だにしていなかったオリンピックの延期や大都市封鎖ともいえる事態にまで発展した。パンデミック終息の見通しが未だたたない中、万が一オリンピックが中止にでもなれば、新国立競技場の建設目的や競技場の存在理由すらも、当初のザハ・ハディドのデザインと同じく白紙に戻ってしまいかねない。
私が近年、絵画のモチーフとして描いているのは、建設中或いは解体中の、シートで覆われたある種宙吊り状態の建物である。かつてそこにあった建物は、シートに覆われ、そのシートの下で解体され、一旦更地となり、新たに建設途中の構造体がシートに覆われて再び姿を現わす。特に明治以降の日本の大都市空間においては、こういった建設と解体が、延々と繰り返されて現在の都市を形成してきた。それは新しい建物の始まりであり、かつてそこにあった建物の終わりでもある。そして覆われたシート(薄い膜)は、かつての場所の忘却と、新たな記憶の狭間を意味することになる。人々がこれから何を捨て、何を忘れ、何を見て、何を求めていくのか。描かれた仮囲いのその向こうには、変わりゆく風景の移ろい、世情の変容があり、今が更新され未来が続いていく。
ところで、Sealed Houseを描き始めた当初、各タブローの背景には主題となる建物の周囲の風景をまず描き、その後その風景をあえて白く塗りつぶした上に、シートで覆われた建物を描いていた。コンセプトは、建物の更新が同時にその場所や風景を、一度更地(白紙)に戻すことであった。
今回発表するメイン作品「Sealed House -New National Stadium-」は、先に記した白紙に戻されたザハ・ハディド氏による想像上の新国立競技場のデザインを背景に、新たに建設され今後日本の一つのアイコンになるであろう現実の新国立競技場の建設途上を描いたものである。
それを描こうとしたのは、まさにこの現実と想像上の二つの国立競技場の姿が、新たに生まれ(亡くなり)記憶に刻まれ(忘却され)る我々の存在そのものの象徴となることに気づいたからである。
二つの国立競技場は、私がこの5、6年続けてきたシリーズの中心のコンセプトに最もふさわしいモチーフであることを、そして自身の画家としてのアイデンティティに、深く突き刺さるモチーフであることを、今更ながらに確信している。
文:西川茂 2020年4月