Shigeru Nishikawa

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Sealed House 121-New National Stadium 2- 970×1940mm oil, graphite, metal powder on canvas, panel 2020

DM

昨夕、7都府県に非常事態宣言が出され、今日、五月の個展のDMが届いた。本当に格好良いデザインに仕上がっていて、勇んで皆に配りたいと思うが、現状はそうもいかない。宣言の最中、会期通りに行われるのかも分からない。いつもはDMが届くと純粋な喜びと、いよいよかと気が新たに引き締まる思いがあるが、今年は流石にいつもと違って複雑な思いだ。毎回状況は違うが、人間生きていれば何かしら難しい状況に陥る時はある。そしてそんな事は関係なく発表の予定もある。

そんな時にはいつも初個展の時を思い出す。

初めて個展を開いたときに、尊敬する作家の質問に対して「時間がなかったから」と僕は答えた。その瞬間に酷く怒られた。プロとしてやっていくなら「時間がない」「忙しくて」なんていい訳でしかない。プロなら制作のために時間を作り、納得いくものを見せなければダメだと教えられた。個展とはいえ一人で行うのではない。いわばギャラリーとタッグを組んで展覧会を作っていく。そこで観せるという事には責任がある。

もう、二十年近く前のことだけど、作家としての姿勢がそこで決まった気がする。

同じように状況がどうであれ、展示が中止になろうとそれまでは最高の準備を続けたい。