ニュータウン
この土地に引っ越してきて、多くの遠足と呼べるような散歩を繰り返してきた。
郊外には広大な土地が、区画整理されて広がり続けている。
かつてそこにどんな風景が広がっていたのか、何がなくなったのかも分からない更地。
次にそこを訪れた時には、道路が走り、多くのシートで覆われた建物が立ち始めている。
そうして一つの街が出来上がっていく。
新しい街。
その向こうにかつての森は必要ないのだろうか。
映画「人生フルーツ」を思い出す。
「かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わってきました。1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。けれど、経済優先の時代はそれを許さず、完成したのは理想とはほど遠い無機質な大規模団地。修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめました・・・(人生フルーツ公式サイトより)」
仮囲いの街。
これから僕たちは何を捨て、何を忘れ、何を見て、何を求めていくのか。
津端修一さんと話してみたかった。